KB5124010適用後も「初回コピーが完了しない」ファイル履歴の問題が再現した事例

保存先ドライブの認識問題は改善した可能性がある一方、復元カタログを利用できない状態は継続

検証日:2026年9月23日
対象OS:Windows 11 Pro バージョン25H2
適用後のOSビルド:26200.9550
対象更新:2026年9月プレビュー更新プログラム KB5124010

今回の更新により、保存先ドライブを認識してファイル履歴を開始できる状態には戻りました。
しかし、筆者環境で以前から発生している「初回コピーが完了せず、復元画面を利用できない問題」は再現しました。保存先を認識できることと、復元可能な履歴が完成することは、別に確認する必要があります。

1.はじめに

Windows 11 Pro バージョン25H2のファイル履歴について、2026年9月のプレビュー更新プログラム KB5124010 を適用し、動作が改善したかを検証しました。

今回の更新では、9月のWindows Update適用後に発生していた、接続済みのバックアップドライブをファイル履歴が正常に認識しない問題への改善が期待されていました。

筆者環境では、それとは別に、2026年8月から次の問題が継続していました。

1. 保存先ドライブにはファイル本体がコピーされる

2. メイン画面はいったん待機状態へ戻る

3. 最終コピー日時も表示される

4. しかし復元画面では「初回のファイルコピーを実行しています」と表示される

5. 保存された履歴へアクセスできない

6. 復元画面を開くと、ファイルのコピー処理が再び始まる

2.更新前の環境

更新前の環境は次のとおりです。

1. OS :Windows 11 Pro バージョン25H2

2. OSビルド :26200.9457

3. 更新プログラム :KB5129195適用済み

4. 保存先 :内蔵NTFSドライブ E:

5. 保存先容量 :3.63TB

6. 保存先空き容量 :約3.60TB

7. ファイル履歴 :オフ

8. File History Service:Stopped / Manual

更新前の E:\FileHistory は、次の状態でした。

1. サイズ :約2.31GB

2. ファイル数 :32,446

3. フォルダー数 :3,459

4. 更新日時 :2026年8月28日 23:36ごろ

ファイル履歴の画面では、保存先としてEドライブが表示され、[オンにする]ボタンも利用できる状態でした。

3.検証方針

更新プログラムによる変化だけを確認するため、適用前後で次の操作は行いませんでした。

1. E:\FileHistoryの削除

2. Configurationフォルダーの削除

3. 保存先ドライブの初期化

4. 保存先ドライブの再選択

5. 既存履歴の移動

6. 古いカタログの削除

7. ファイル履歴の構成変更

8. 「今すぐ実行」の反復

既存構成を変更すると、改善した場合でも、更新プログラムによる修正か、設定の作り直しによる変化かを区別できなくなるためです。

4.KB5124010の適用

Windows Updateから、次のプレビュー更新プログラムをインストールしました。

1. 2026-09 プレビュー更新プログラム

2. KB5124010

再起動後、PowerShellでOSビルドを確認しました。

1. $p = Get-ItemProperty "HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion"

2. "$($p.DisplayVersion) Build $($p.CurrentBuild).$($p.UBR)"

結果は次のとおりです。

1. 25H2 Build 26200.9550

更新は正常に適用されていました。

続いて、ファイル履歴サービスの状態を確認しました。

1. Get-Service fhsvc |

2. Select-Object Name,Status,StartType

結果は次のとおりです。

1. Name Status StartType

2. fhsvc Stopped Manual

更新前と同じ待機状態であり、Windows Updateによってファイル履歴が勝手に開始された形跡はありませんでした。

5.更新直後のファイル履歴画面

再起動後、ファイル履歴の画面を開きました。

確認できた状態は次のとおりです。

1. ファイル履歴:オフ

2. 保存先 :ボリューム(E:)

3. 空き容量 :約3.60TB

4. 操作ボタン :オンにする

「ドライブを再接続してください」や、「使用可能なドライブがありません」といった表示はありませんでした。

この時点では、次の点が確認できました。

  • Eドライブはファイル履歴の保存先として認識されている
  • 既存のFileHistory構成も認識されている
  • ファイル履歴をオンにする操作が可能
  • 保存先認識不能の状態にはなっていない

6.ファイル履歴をオンにした結果

[オンにする]を1回だけ押しました。

直後に、次の表示へ変わりました。

1. ファイル履歴はオンになっています

2. ファイル履歴が初回のファイルコピーを保存しています

保存先Eドライブは引き続き表示され、処理中は[停止]のリンクが表示されました。

しばらくすると、メイン画面は待機状態へ戻りました。

1. ファイル履歴はオンになっています

2. ファイルが最後にコピーされたのは 2026/08/28 23:37 です

3. 今すぐ実行

ただし、表示された日時は今回の実行日時ではなく、既存履歴に記録されていた2026年8月28日の日時でした。

このため、新しいバックアップ世代が正常に作成されたとは判断せず、復元画面を確認しました。

7.復元画面を開いた結果

[個人用ファイルの復元]を1回だけ開きました。

復元画面には、以前と同じく次の表示が現れました。

ファイル履歴は初回のファイルコピーを実行しています。
完了するまでファイルのコピーにアクセスできません。

復元対象のフォルダーやファイルは表示されず、履歴を閲覧することも、ファイルを復元することもできませんでした。

さらに、復元画面を開いた直後、背面のファイル履歴メイン画面も次の状態へ変化しました。

1. ファイル履歴にファイルのコピーを保存しています

2. 停止

つまり、今回も次の循環が再現しました。

1. ファイル履歴をオンにする
      ↓
2. 初回コピーが開始される
      ↓
3. メイン画面はいったん待機状態へ戻る
      ↓
4. 既存の最終コピー日時が表示される
      ↓
5. 復元画面を開く
      ↓
6. 「初回のファイルコピーを実行しています」と表示される
      ↓
7. メイン画面も再びコピー中へ戻る

8.KB5124010で改善したと考えられる点

今回の検証では、次の改善が確認できました。

○ 保存先Eドライブを認識できた

ファイル履歴の画面にEドライブが表示され、[オンにする]ボタンも正常に動作しました。

○「ドライブを再接続してください」が表示されなかった

接続済みで読み書き可能な保存先を認識できない状態は、筆者環境では確認されませんでした。

○ 既存構成を読み込めた

ファイル履歴をオンにした後、既存の最終コピー日時である「2026年8月28日 23:37」が表示されました。
このことから、以前のFileHistory構成または状態情報を読み取る処理は行われたと考えられます。

9.KB5124010でも改善しなかった点

一方、筆者環境で以前から発生していた次の問題は残りました。

1. 初回コピーの完了状態が確定しない

2. 復元画面に履歴が表示されない

3. 復元操作を行えない

4. 復元画面を開くとコピー処理が再び始まる

5. 新しい完了日時が表示されない

6. 既存の古い最終コピー日時だけが表示される

したがって今回の結果は、次のように整理できます。

KB5124010によって、保存先ドライブを認識できない問題は改善した可能性があります。
しかし、初回コピーが完了せず、復元用の履歴を利用できない問題は解消しませんでした。

10.二つの問題は分けて考える必要がある

今回の検証により、ファイル履歴には少なくとも二つの異なる問題が存在する可能性が見えてきました。

問題A:保存先ドライブを認識できない

1. 接続済みのドライブを認識できない

2. 「ドライブを再接続してください」と表示される

3. [オンにする]が機能しない

この問題は、KB5124010によって改善した可能性があります。

問題B:初回コピーまたは復元カタログが完成しない

1. ファイル本体のコピーは始まる

2. メイン画面はいったん待機状態へ戻る

3. 復元画面では初回コピー中と表示される

4. 復元画面を開くとコピーが再び始まる

5. 復元可能な履歴が確定しない

筆者環境では、こちらの問題が残りました。

KB5124010で修正された問題と、筆者が2026年8月から確認している問題は、同じファイル履歴機能で発生していますが、必ずしも同一原因とは限りません。

11.試験の終了処理

同じファイルの再保存や保存先容量の増加を避けるため、今回の確認後は次の順で処理を終了しました。

1. 「個人用ファイルの復元」画面を閉じる

2. ファイル履歴のメイン画面で[停止]を選択

3. 待機状態へ戻るまで待つ

4. [オフにする]を選択

5. ファイル履歴がオフになったことを確認

6. すべての関連画面を閉じる

最後にPowerShellでサービス状態を確認しました。

1. Get-Service fhsvc |

2. Select-Object Name,Status,StartType

結果は次のとおりです。

1. Name Status StartType

2. fhsvc Stopped Manual

これにより、ファイル履歴が停止し、安全な待機状態へ戻ったことを確認しました。

12.今回の実験結果

確認項目結果
KB5124010の適用成功
更新後のOSビルド26200.9550
保存先Eドライブの認識成功
ファイル履歴のオンへの切替成功
再接続エラー表示されず
既存の最終コピー日時の読込み成功
新しい最終コピー日時確認できず
復元画面の履歴表示失敗
初回コピー完了状態確定せず
復元画面を開いた後コピー処理が再始動
ファイル履歴の実用再開不可
試験後の安全停止完了

13.現在の判断

KB5124010の適用により、保存先を認識できない問題には改善が見られました。

しかし、筆者環境における本来の問題である、

ファイル本体の保存処理は始まるが、初回処理と復元カタログが完成せず、復元画面を利用できない

という状態は継続しています。

したがって、現時点ではファイル履歴を正常なバックアップ手段として再開できません。

また、今回の結果だけをもって、この問題が筆者のPCだけに固有のものとも、Windows全体の共通問題とも断定できません。

筆者環境には次の特徴があります。

1. Windows 10からWindows 11へのアップグレード環境

2. 長期間使用してきたユーザープロファイル

3. 過去にファイル履歴を利用した履歴がある

4. 内蔵NTFSドライブを保存先として使用

これらの条件と、初回完了判定または復元カタログ確定処理との関連は、引き続き確認が必要です。

14.今後の方針

今後も、次の方針を継続します。

1. 既存のFileHistoryデータを削除しない

2. 保存先ドライブを初期化しない

3. Configurationフォルダーを繰り返し削除しない

4. 「今すぐ実行」を反復しない

5. ファイル履歴を正常なバックアップとして数えない

6. 重要なデータは別方式でも保全する

7. 新しいWindows Updateの修正内容を確認する

クリーンインストールについても、ファイル履歴が正常化する根拠がないため、引き続き保留します。

15.まとめ

2026年9月23日、Windows 11 Pro 25H2へプレビュー更新プログラム KB5124010 を適用し、OSビルド26200.9550でファイル履歴を再試験しました。

その結果、次を確認しました。

1. Eドライブを保存先として認識できた

2. ファイル履歴をオンにできた

3. 初回コピー処理が開始された

4. 「ドライブを再接続してください」は表示されなかった

5. 既存の最終コピー日時を読み込めた

しかし、復元画面を開くと、

1. ファイル履歴は初回のファイルコピーを実行しています

と表示され、履歴へアクセスできませんでした。

さらに、復元画面を開いたことで、ファイル履歴のメイン画面も再びコピー中へ戻りました。

以上から、今回の更新では、

保存先ドライブの認識問題は改善した可能性があるが、初回コピーが完了せず復元画面を利用できない問題は未解決

と判断します。

現在の状況

一部改善、主要問題は未解決、継続確認中

KB5124010によって保存先認識の問題には改善が見られましたが、筆者環境では復元可能な履歴を作成できる状態には至っていません。

修正を確認するまでは、ファイル履歴だけに依存せず、重要なファイルを別の方法でも保全することをおすすめします。

免責事項

本記事は、2026年9月23日に筆者の環境で行った検証と、その結果を記録したものです。
すべてのWindows 11環境で同じ結果になることや、今回の現象が特定の更新プログラムだけを原因として発生していることを示すものではありません。
ファイル履歴の構成削除、保存先の初期化、更新プログラムの削除、Windowsの再インストールなどを行うと、既存の履歴やデータを失う可能性があります。
操作を行う場合は、事前に重要データを別媒体へ保全し、それぞれの環境や管理方針に沿って慎重に判断してください。

記事作成上の改善点

  • KB5124010で改善した部分と、未解決の部分を分離しました。
  • 「修正された」「直っていない」と一括で断定せず、実際に確認できた範囲を整理しました。
  • 保存先認識問題と初回履歴確定問題を別の問題候補として示しました。
  • 検証条件、停止手順、最終サービス状態を記録し、試験の安全な終了まで追える構成にしました。